カミヒコウキ、トオクマデ。

「佐奈子、聞いてる??」

先程と同じコトバが海の口から吐き出された。私はしばらくぼーっとしていたらしい。海はなんだか怪しむような、そんな顔で私の顔を見ていた。

「ゴメン、聞いてない」

作り笑いを浮かべ、そういった。そしたら彼は「仕方ねぇーな」と言って、話始めた。話の内容は恋愛相談。
彼には好きな人がいるのだ。
外川 華。名前のとおり、華のような子で女の私から見たってかわいい。
恋愛相談をされるたび、
情けないような、
腹立たしいような、
悔しいような、
なんとも言えない気持ちになる。
< 2 / 20 >

この作品をシェア

pagetop