カミヒコウキ、トオクマデ。
「あっそ」
海はそう吐き捨てると
どこかへ行ってしまった。
なんだか怒っているようだった。私は何か怒られるようなこと、しただろうか?
してないはずだと思う。
「なんなんだよ、」
そう呟いて、手で顔を覆った。涙がでる。掌は汗で湿っぽかったけど、どーでもよかった。
失恋確定。
それだけは分かる。
きっと今日にでも
外川 華と海は付き合うことになるだろう。
◆
翌日。
学校に行く途中、海の姿をみかけた。隣には外川 華。仲よさ気に手まで繋いでいる。
予想通り、
二人は付き合うことになったらしい。
涙が出そうだったけど
ここで泣いたら負け犬だとか意味不明なことを思い、
涙をぐっと堪えた。