カミヒコウキ、トオクマデ。


「おはよー」

教室に入るとき、大声で教室にいる人に挨拶。
いつもは絶対にそんなことをしないけど、きょうは別だ。[自暴自棄]って訳じゃないけど、私が弱くたってちっちゃくたってどーでもいい。もう、今の私から変わろうなんて思わない。

「おはよー」

私の挨拶に教室に居たほぼ全員が挨拶を返してくれた。
なんだか少し嬉しかった。

「おおー、色男登場っ」

クラスのムードメーカー的な男子が
そう叫ぶ。色男っていうのはもちろん海のことだ。
海の隣には外川 華の姿も
ある。まだ、手を繋いでいた。
残酷なことに私と海は同じクラス。外川 華が違うクラスなのは唯一の救いかもしれない。
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