bule tears
 人と接することが苦手な彩陽でも、一応クラスメイトの名前は全員言える。

(……そうだよね。わたしなんか皆知らないよね)

 自分で言っておいて悲しくなってきた。

「僕、人に興味ないから」

「……へ?」

「だから誰と話したとか全然覚えてないし、そういうのどうでもいい」

 可愛い顔して言いたいことをグサグサ言ってくる蓮。

 その蓮に圧倒され、返す言葉が見つからない彩陽は、今にも泣き出しそうな表情になっている。

(……神様っ、わたしはなんて答えればいいのですか……)

 彩陽は限界だった。せっかく席替えをしたというのに、会話にはならないし、自分はこんなに気が弱いし、この場から逃げてしまいたい。

 一方の蓮は、そんな彩陽を気遣うこともなく、再び自分の世界に戻った。

 愛くるしい見た目からは想像出来ないような毒舌っぷりである。

 蓮もまた、中学生男子にしてみれば小柄な方であり、身長160センチ弱だ。

 黒いショートヘアに大きな瞳。

 女の子が学ランを着ているのかと思ってしまう。

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