【詩集】吟遊詩人になる前に
『色を無くしてしまった』
もう…気づいただろ?

大事な色から

無くしていく

クソみたいな世界

神様に祈ったって

痛いのに叫べない

悲しいのに涙もでない

同じことをくりかえしてる

そして

色を無くしてしまった

大人たちは

ちっぽけなプライド

振りまわして

簡単に人を傷つける

大人たちが

守りたいのは

自分だけなんだろう

大人たちに

壊された

ボクたちの思いや感情

残骸の搭を積上げてく

そして

色を無くしてしまった

でも…忘れるなよ

1mmでも

視線をズラせば

こんな世界でも

少しだけ

色づいて見える

だから…ボクたちは

手をつないで

残骸の搭を

蹴飛ばして

踏み潰して

真っ白な

砂浜にしてやるよ

もう…気づいただろ?

色を無くしたときが

はじまりなんだ

これから

何でもできるんだ
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