【詩集】吟遊詩人になる前に
『黒い車のあの娘』
冬の朝
7時36分
自転車で走りぬけた
地下道の先にある交差点
信号待ってる
黒い車のあの娘
毎朝 見かけるから
目を合わさないように
気づかないフリ
多分 あの娘も
気づかないフリ
信号が青になったら
走ってく
黒い車のあの娘
少し曇った
ウィンドウ越しだから
あの娘のルックスは
わかんない
わかってんのは
長い髪と
白いハンドル握ってること
それぐらい
それ以上
わかんないのがいいだろう
だって 明日
黒い車のあの娘が
信号待ってなかったら
悲しくなるし
そんな自分を
笑ってしまうよ
でも 明後日
黒い車のあの娘が
信号待ってたら
うれしくて
きっと一日
優しくなれるよ
7時36分
自転車で走りぬけた
地下道の先にある交差点
信号待ってる
黒い車のあの娘
毎朝 見かけるから
目を合わさないように
気づかないフリ
多分 あの娘も
気づかないフリ
信号が青になったら
走ってく
黒い車のあの娘
少し曇った
ウィンドウ越しだから
あの娘のルックスは
わかんない
わかってんのは
長い髪と
白いハンドル握ってること
それぐらい
それ以上
わかんないのがいいだろう
だって 明日
黒い車のあの娘が
信号待ってなかったら
悲しくなるし
そんな自分を
笑ってしまうよ
でも 明後日
黒い車のあの娘が
信号待ってたら
うれしくて
きっと一日
優しくなれるよ