【詩集】吟遊詩人になる前に
『2月生まれのレニー』
はじまりの喧騒の中で行く

1月

せつなく別れて去る

3月

はさまれて逃げる

2月

私の生まれた2月は

何だか存在感ないね

と笑ったレニー

そんなことはない

ボクにとって

レニーの生まれた2月は

特別な意味があったんだ

冷たい雪が

モノクロに染めた世界で

雪のカタチの1つ1つが

透明でキレイだって

教えてくれたレニー

あのときのボクは

バースディプレゼントの

ネックレスと一緒に

伝えたい言葉を用意してた

でも、結局

自信がなくて

プレゼントよりも

大切だった言葉は

渡せずじまいだった

どうしようなんて

考える間もなく

レニーは

この町を出ていった

『好きだったよ、レニー』

今年もまた雪が

モノクロに世界を染めてく

レニー

この世界が色づく前に

もう一度、会いたい

大人になった

レニーに会いたい
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