【詩集】吟遊詩人になる前に
『飛べない魚』
大きなモノを信じていれば

それでいい

それが、この国で

生きていくためのルール

疑わなければ

保障される暮らし

気がつかなければ

幸せな気持ち

考えなければ

素晴らしき日々

この水槽の中の魚のように

飛べない魚は

ただ…

泳いでいればいい

そのままでいい

もしも…

飛べない魚に

翼がはえて

この水槽から

飛び出せたら

この国の彼方まで

飛んでいけたら

この国に広がる

こんな薄暗い

こんな曇天の空でも

愛しく思うのだろうか…?
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