【詩集】吟遊詩人になる前に
『夏服の終わり』
夏服の終わりに

俺たちは、この海を見にき
たよな

防波堤に並んで座って

神様はいるとか、いないと


終わらない話をしたよな

俺たちが、食べてたポテト
チップス

奪ってったトンビは

どれだけ高く飛んだのかな

潮風に洗われた髪を

直すキミの指先を見てさ

俺は、美しいという言葉の
意味を知ったよ

夏服の終わりに

白を脱ぎ捨てた俺たちは

今、何色なのかな?

夏服の終わりに

はじめてキスした俺たちは

今、何才なのかな?

夏服の終わりに

流した涙のこと

キミは

もう忘れたのかな?

覚えてるのは

俺だけなのかな?

それだけを

今でもずっと

夏服の終わりに

それだけを…
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