記憶の足跡
その後は、4人。病室で話した。

私の過去も少し交えて。

どんな暮らしをしてたか。
どこの学校へ通ってたのか。
どんな性格で。
どんな友達がいたのか。
家族とは、(ここにいる3人)とは
どんなやり取りをしていたのか。
(つまり、仲が良かったのか?)

聞きたいことは、残らず聞いた。
2~3時間ほど話をした後、
私の報告をしに
3人は担当医に話をしに言った。


まず分かったこと。

私の家族は4人。
お祖父ちゃん。お祖母ちゃんは
いない。

お父さんの名前は 
穂波 梶 (ほなみ かじ)

お母さんの名前は 
穂波 静 (ほなみ しず)

弟の名前は(男の子) 
穂波 泰貴 (ほなみ たいき)

そして、私は

穂波 蒼維 (ほなみ あおい)


以前の学校は
なぜか教えてもらえなかった。

「これからまた
始まるんだから、気にする
必要はない」

と、はね返されてしまった。


「家族は仲が悪いわけではない」

と曖昧だった。(…怪しい)


とりあえず、家に帰ってきて
ほしいと、全員に言われた。

「自分で決める」

そういう事になった。

男のが、ドアを出る時に
愛おしそうな、それでいて
語りかけるような眼差しを
私に向けてきた。


本当に、決めなければならない。
自分自身で、運命を決める。


その夜。私の決意がついた。
同時に、私の運命が決る。
もちろん。梶さん、静さん
泰貴君の運命も…。




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