second love -暗闇からの光-
輝哉
重い頭を起こし
カーテンから外を覗いた
まだ日も登っていなかった
制服に着替えて支度をして家を出た
人は全然通ってなかった
だけど いつもより少し気分がよかった
わずかなお金を持ちコンビニに入った
少し眠そうな店員さん
パンが売ってるコーナーで
アップルパイを探す
少しあくびが出た
すると
一人男の人が店内に入って来た
少しだけ見えた綺麗な目
セットしてトップをたたせた髪
サラリーマンと違った感じのスーツ
輝哉、…。
違う。
違うよ
何探してんの
こんなとこにいるわけないじゃん
会って…どうするの?
ムカムカした気持ちを追い払うため
先に飲料水のコーナーに行った
すると
その男の人もいた
携帯をいじくりながら水を選んでいた
「…………、」
綺麗な顔してるな
「…………………輝、…哉」
きっと聞こえないだろうと思い呟いた
「………え」
え、………見てる見てる
アタシは湿った手で水を取りレジに向かう
ガシッ
「わっ」
びっくりして手を引っ込めた
その瞬間、水が落ちた
「ごめん……あ、大丈夫?」
少しキツめの香水の匂いが
鼻をくすぐった
「………」
「…単刀直入に言うけど、何で俺の名前知ってんの」