月夜のフェアリー


重い足取りで

階段を上る




ギギィー


鈍い金属音が
頭に響く



重い扉を開け


屋上へと足を
踏み入れる



屋上は
閑散としている



一つだけ
ベンチがある



そこに寝て
空を見るのが好き




ここだけなんだ


自分が生きている
って感じるの



ここだけなんだ



泣けるの



感情が戻ってくるの

どこかに置いてきちゃったんだけどね


< 10 / 12 >

この作品をシェア

pagetop