☆★グリン・ピース★☆
光は実麗の寝顔を前に

数年前の出来事を

思い出していた。


それは、中学3年の夏。

大きな台風が迫っていた。


午後から風が激しくなり

学校は数日前から夏休みだった


ガタガタ揺れる窓に向かって

コロが、わん!わん!と

やたら挑んでいる。


「コロ、恐いのか?

大丈夫だよ。

大人しくしろ。」

そう言ってコロの頭を撫でながら

風の強さに急に不安になった。


婆ちゃんは朝から

仕事でいなかった。


「大丈夫じゃよ。

年寄りはお前らより何度も

台風なんぞ経験しちょるから

大人しく家にいろ」


そう言っていつも通り

ホテルに向かった。

予報では午後から

雨になると言っている。
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