☆★グリン・ピース★☆
俺は成す術もなく

ずっと一緒に海を見ていた。

激しく吹き付ける日本海の

雨と風の中で・・・


どのくらいそうしていただろう?


一頻り泣いた後

実麗はそっと言った。


「好きな人がいるの。

でも、その人には

大事なものがあって・・・

私は・・・

何のために東京に行ったんだろ?

あんたの言った通り

東京には

こんな綺麗な海はないんよ」


泣きはらした瞳で俺を

じっと見つめた。


俺達は今までで一番近く

寄り添っていた。


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