☆★グリン・ピース★☆
いつだったか、小さい頃

一度その男の子を見た。


その子は、恥ずかしそうに

お母さんに手を引かれていた。


間宮は、自分とその子を

嬉しそうに見比べて


「葵君って言うんだよ。

叶野君の息子だ。

お前の方がお兄ちゃんなんだから

葵くんにもお菓子をあげなさい」


その子がお母さんの側に隠れた。


「光、仲良くしなさい。

さあ! 葵くん?

こっちにおいで。」


そう言って手を出されたけど

俺は素直に行けなかった。


母さんがいる光が

何故か凄く憎らしかったんだ。


俺は母さんの笑顔も

優しい手も知らなかったから・・










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