☆★グリン・ピース★☆
実麗と葵。
病院を飛び出し
彷徨ってみたものの
行く所なんてなかった。
パトカーを見かけるたびに
思わず隠れた。
自分は追われる身なのだ、と
外へ出て思い知った。
もう逃げ回る気力も体力も
葵には残っていなかった。
フラフラとやって来たのは
父が取り調べを受けている
警察署の前だった。
環八通りに面した入り口には
いかめしい警官が警棒を抱え
正面を見据えて立っていた。
ここに自首さえすれば・・・
親父は釈放され
俺は刑務所に入り
罪を償うことができる。
それが葵に残された
最後の選択のように思えた。
俺のために潔く罪を被った父
その存在はなんて大きいのだろう?
俺には守るものなんてない
そう思ってきたが、今は違う。
そうしないと兄に会わせる顔もない。
兄に痛手を負わせたのは
他ならぬこの俺だから・・・
彷徨ってみたものの
行く所なんてなかった。
パトカーを見かけるたびに
思わず隠れた。
自分は追われる身なのだ、と
外へ出て思い知った。
もう逃げ回る気力も体力も
葵には残っていなかった。
フラフラとやって来たのは
父が取り調べを受けている
警察署の前だった。
環八通りに面した入り口には
いかめしい警官が警棒を抱え
正面を見据えて立っていた。
ここに自首さえすれば・・・
親父は釈放され
俺は刑務所に入り
罪を償うことができる。
それが葵に残された
最後の選択のように思えた。
俺のために潔く罪を被った父
その存在はなんて大きいのだろう?
俺には守るものなんてない
そう思ってきたが、今は違う。
そうしないと兄に会わせる顔もない。
兄に痛手を負わせたのは
他ならぬこの俺だから・・・