☆★グリン・ピース★☆
「葵君、いくつ?」


「俺・・・?18」


「そっか・・・」


実麗は、自分のその頃を

思い出していた。


自分の両親も小学校の時から

上手くいってなかった。


よく喧嘩をしていたし、

子供心にとても不安だった。


母は東京の人だったから

よくお姉ちゃんを連れて帰っていた。


実麗は一人ぼっちの父が

何となく寂しそうで

山形に残っていた。


でもやっぱり寂しかった。


それでコロを連れてよく海に行った。


海は自分の頼りない存在を

いつも受け止めてくれる気がした。


母の帰りをひたすら待っていた。

母は、出て行ったまま

何日か帰らない事もよくあった。


だから、母のいない寂しさは

身に沁みてよくわかる。
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