☆★グリン・ピース★☆
実麗は、幼い二人を見て

遠い昔の自分を重ねていた。


この大らかな海が

夢や希望を育ててくれた。

絶望や悲しみもすべて

ここに捨てに来た。


今は、陽南子と

そして光と・・・

自分には揺るぎない家族がいる


いつしか自分も母になった。


乾いた砂を手にとって

さらさらと溢してみると

それは自分が生きてきた

時の流れにも思えた。


ふと背後から声をかけられて

振り向くと、そこには

さっき男の子の手をひいていた

華奢な女の人がいた。


長い黒髪に意思の強そうな眉が

印象的だ。
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