☆★グリン・ピース★☆
「美恵子さんって

きっと・・・

素晴らしい方だったんでしょうね?

私もお会いしたかったな」


「ええ、とても・・・

私も陽南子を身籠ってから

いろいろ助けてもらったから

本当の母のようでした。」


「そうですか・・・

私も周りから

反対されて聖哉を生んだから

わかります。

女って子供を身籠って初めて

強くなるんですね。」


「本当に・・・」


「でも貴方に会えてよかった。

思った通りの人でした。

同じ時期に悩んで

母親になったんですね?」


夢中で遊ぶ子供達を見て

そう言った。



「私は、

ずっと聖哉を守ってきたけど

葵君の事も支えたいと思って

実はいつのまにか・・・

私のほうから好きになったんです。」


穏やかな海風の中

二人の女は時を忘れて語り合った。


太陽が片輪を地平に沈めつつ

夕闇が迫ってきた。
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