☆★グリン・ピース★☆
<今日は一軒しか行けないな

明日、柴ちゃんでも連れて

午後から何件か廻ればいっか?>


今年入った丸顔の後輩の顔が

「ほんとですか~?」

とほころぶのが浮かんだ。


<あの子なら他にもいい店知ってそう

何かそのまんま秋の食欲って感じ>


「聖哉、上着を着て!

行くよ~。お腹すいたでしょ?」


「うん。ペコペコだよ!」


聖哉がいつになく甘えて

手を繋いできた。


我慢する事ばかりを強いてきた

自分のふがいなさが身に染みた。


凛はあまり乗る機会のない愛車に

乗り込み夜の街に向かった。


久しぶりの親子揃っての食事に

聖哉はご機嫌だ。
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