先生?
 
30秒くらいで紙が返ってきた。


返さない訳にはいかないから、適当に筆談を繰り返していた。


“じゃあ何であんなに仲良くしてたの?”

“朝、ちょっと会っただけ。つか、中沢に関係なくね?”

“冷たーっ!皆あいつにデレデレしてたから、ちょっと嫉妬しただけだし”

“嫉妬とか(笑) 馬鹿じゃん?”

“坂本はどう思う?川瀬のこと”


そう書かれた紙が回ってきて少し戸惑った。


まぁ、“別にどうでもいい”とか無難な返事しとけばいっか

そう思い、“別にどう”まで書いたとき、紙は大きな手によって没収された。


「なに書いてんだよ」


先生があたしたちの筆談を軽く読んでいた。


「別にどう?…何書こうとしたのかなー?」


先生は嫌味っぽく笑い、紙をヒラつかせた。
 
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