先生?
 
「じゃあ……」


先生はチョークを持って黒板に同じような問題を書き始めた。


「この問題やって。咲帆」


ドクン


心臓が大きく跳ねた。

驚きすぎて、声も出なかった。


「おーい、坂本咲帆さーん?」


あ…そっか

男、坂本が卓也なら、

あたしも“咲帆”か…


なんだか嬉しい


「はーい」


中沢のノートをチラ見して、答えを覚えて黒板に向かった。
 
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