先生?
 
ふと、すれ違った人の顔を見たら、しっかりと目が合ってしまった。


何も無かったように目を逸らそうとしたら、向こうがニコっと微笑んできた。

そして、こっちに近づいてきた。



「こんちは」


あたしはもちろん、亜梨紗は驚きすぎて元々大きい目をもっと大きくしていた。


「…こんにちは」


あたしに挨拶したのかと思って挨拶を返したら、思わぬ言葉が返ってきた。


「亜梨紗ちゃんっすよね?」

「え、あたし?」


そう言った亜梨紗の目はハートマークになっているように見えた。


やば、あたし恥ずかしい人じゃん
 
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