先生?
 
 
1歩1歩近づいて、


あと2歩くらいで先生の胸に飛び込める。


だから一気に先生に抱きつこうとした、

そのときだった。



「……せんせ――」

「咲帆!……待って」


先生はあたしの肩を抑えて、

あたしの動きを止めた。



“え?”


そう小さく、

あたしの口から無意識に零れた。
 
 
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