夢ノ恋ノ花
知らずに変わりゆくモノ
「あと一ヶ月半で決めるなんて
・・・少し早すぎませんか?」
シックな家具で統一された
ビルの最上階の一室
「まだ18歳です」
眼鏡を掛けた40代前半の男は
黒皮の椅子に腰掛けて
ビルから都会を見下ろしていた。
「いや
もう18だ
・・・それに心に準備をする時間ぐらいある
18歳になるまでにまだ一年ある」
「・・・」
秘書らしき男は沈黙した。
「この財閥の跡取りは
世界を動かす権利と共に
世界を動かす責任をを一生
死ぬまで背負わねばならない
その為に・・・」
椅子をクルッと180度回して、
都会からデスクの上にある
3人の美女の写真に視線を向けた。
「ふさわしい妻を
見つければならない・・・」