君にだけ




校門で待つ心を見つけると、抱きつく。


 「初ー。どうしたの?」


 「ううん。なんでもない。ゴメンね。行こ。」

 「変なの。まぁいいや。

  今日もあそこ行く?」

 「うん!!」


゛あそこ〝とは、


学校を出て10分歩いた所のいつもの坂を上がり、




その先に広がる川原。




そこがあたし達の大好きな場所。




夕日がキラキラと川の水を宝石のように


輝かせる。


あたし達は川原のベンチに座る。


 「初って、ここホント、好きだよね。」



 「うん!

  だってキラキラしてて、

  風が気持ちよくて。

  なんか、好きなんだよね。」
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