夢のはじまり



雨があがったあとの
桜のトンネル。


二人で
手をつなぎながら
歩く。


私の顔は
きっと
真っ赤だった。



恥ずかしくて
下ばかり見てたから、


ごめんね、


桜の記憶が何もないんだ。



綺麗だね、

って隣でつぶやく柊の声を聞きながら、


私は転ばないように

必死に

地面ばかり見てた。


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