私。
「君はお母さんが生きていた証だ。そして残した遺産だ。」


私が…


「お母さんの生きてきたものを…残したものを壊すのか?」


酷い人…そんなの…ズルぃよ。


「私…無理だょ…一人ぼっちだもん…」


彼は私に手を差し延べた。


「この手を掴むかどうかは君次第だ。」

彼は優しく微笑んだ。


気付けば土砂降りの雨はいつのまにか止まってた。
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