STAR SHINES
早良の家には一度だけ行った事がある。
「確かこの辺だったはず…。」
曖昧な記憶を頼りに見知らぬ道を一人で歩いた。
篠原…
須藤…
瀬戸…
小宮……あった!
ここが早良んちだ!!
俺は早良んちの門のベルを勢いよく鳴らす。
「は〜い。どちらさまですか?」
インターホンだ!
多分早良のお母さん…?
「優斗です。早良さんいますか?」
「優斗くんね…。ちょっと待っててちょうだい。」
あいつひょっとして風邪でも引いてたのか?
馬鹿は風邪にならないって言うけど、あれ絶対嘘だよな。(笑)
本当にただの風邪だったら良かったのに…。
「あはは。風邪引いちゃったんだ。」
そう言って笑顔で出てきてくれる。
俺の大好きなあの笑顔で…。
そう思ってた。
俺はこの時まだ知らなかった…。
早良が必死に病気と戦っていた事に…。