ぼくの太陽 きみの星
やがて初めて顔合わせしたとき。

あたしたちは同じ中学の2年と1年になって少したった頃だった。


キモオタデブかもしれないと心配していた新しいお兄さんは……


「初めまして」


にっこりと会釈するその人。



(ちょ……)



これなんて王子様?



開いた口がふさがらないとはこのこと。


キモオタどころか、マンガから抜けだしてきたような美少年がそこに立っていた。


すらりとした姿に、ひどく整った白い顔。

引き締まった、なめらかな頬。

聡明そうな、切れ長の黒い目。

漆黒の髪。

長い睫毛。

丁寧で穏やかな物腰。

常に微笑をたたえた口元。



だけど、どこか人を受け容れない、とがったナイフのような……
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