ぼくの太陽 きみの星
「あたし、自分でパパを探してみようかな。

それならいいでしょ、ママ。


だって、あたしの本当のパパだもん」



いつも遊んでくれた、抱っこしてくれた、優しかったパパ――。

いっしょにお風呂で遊んでくれた。

いっしょにすべり台をすべった。

ブランコを揺らしてくれた。



その思い出は、確かにあたしの宝物だから。




階段を上がる瞬間、ママを振り返った。

ママは、顔をこわばらせたまま、見たことのないような複雑な表情であたしを見ていた。



昏い瞳で。




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家まで送ってくれた琢磨くんに手を振って。

家に入ると、うす暗いリビングに入ってソファに腰掛けた。
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