ぼくの太陽 きみの星
「――何? いきなり」


鷹耶は振り返らずに、気乗りのしない声で答えた。



「あたしね。


パパを探してみようと思うの」



「……」


鷹耶はのろのろと振り返ると、しばらく無言でじっとあたしを見た。

憂鬱そうな黒い瞳を、長い前髪のすき間から覗かせて。



「探すって、居場所がわからないってこと?」

「うん。

昨日ママに聞いてみたの。

ママも、パパがあたしが3歳のときに出ていったきり、一切連絡取ってないんだって」

「……なんで」

「……そこまでは聞いてない」

「……」

「パパから連絡もこないし、ママも探してないって」

「……」


鷹耶はどこかうわの空で、小さくうなずいた。

マグカップを手に、カウンタを周ってソファの端に腰掛ける。
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