ぼくの太陽 きみの星
一通り紹介を済ませたあと。

ママが、お茶の用意をするとか何とか言ってバタバタと出ていって。

新しいお父さんもママを手伝いに部屋を出てしまった。



(やば……二人きり……)


うつむくあたしに、王子様は軽く微笑した。


おそらく誰にでも向けられる、キラキラ光るような笑顔。


(この人……女子がみんな自分に惚れるとか考えてるタイプかもしれない)


実際モテるんだろうけど。


(それにしても、今ひとつ何考えてるかわからない、得体の知れない人だな)


この笑顔は仮面だ。


思っていることを顔に出さないための。



それがこの人の鎧なのかもしれない。




何を考え、どう感じてるんだろう。

この人のお母さんは一体どうしたの?


――離婚したの?
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