ぼくの太陽 きみの星

6.穏やかな眠りの中で

もうちょっとで夏休み。


部活が終わった後の学校の帰り、喫茶店で琢磨くんとケーキ食べたりして、あたしの家に着く頃に、ようやく少し日が陰ってくる。

それくらい日が長い。



きれいな夕焼けの中、二人で話しながら歩いていると、ほんっとに平和で。

事件の予兆なんて、まるでなかった。



ところが。

ふと見ると、あたしたちとは反対側から1人の影が歩いてくるのが見えた。



ふつふつとイヤな予感が……。




夕日を背に受けて、逆光で影でしか見えないその姿は、着々と近づいてくる。

まるで青春映画のワンカットみたいな、絵になる、ほっそりした影。



イヤな予感的中。




――鷹耶。
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