ぼくの太陽 きみの星
------


”それ”は、いつ始まったのか。


――もちろん覚えてる。



大人の事情で、しばらくは別居状態だったあたしたち。


というのも、親戚の反対なんかがいろいろあったらしい。

幾度かの交流を繰り返して、やっと一緒に暮らすようになってから1年ちょっと経った、高1になったばかりのある日。



その日は、この季節には珍しい、激しい雨が突然降ってきていた。

そんな中、あたしは傘をさして暗い道をトボトボ歩いてた。

何だかひどくみじめな気分で。



突然の雨に、傘でも持って行ってあげよう、なんて仏心を起こしたのが間違いだった。

塾の模試の臨時解説授業に、傘を持たないで出かけた鷹耶に。
< 13 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop