ぼくの太陽 きみの星
月の明かりがうっすら差し込む暗い部屋で。


あたしたちは、どちらからともなく、互いの唇を求め合っていた。




パジャマのボタンがそっと外され、

しっかりと抱きしめあう。

温かい素肌が触れる。




鷹耶はいつもと違って、それ以上何もしようとしなかったけど。


それで十分だったんだと思う。




性的なことじゃなくて、お互い人間として。


ただ互いの心を静かに通い合わせていたいような気がしたから。





あたしたちは指をからませ抱き合ったまま、穏やかな眠りについた。



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朝起きると、隣に鷹耶の姿はなかった。


でも、あたしはうっすら覚えてた。

早朝のまどろみの中で、あたしの頬に手を当てて、やさしくキスして出ていく鷹耶。


「サンキュ……」


そう言ってた。



あのとき……傘のとき……と同じ言葉。
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