ぼくの太陽 きみの星
迎えに出かけたあたしの目の前で、鷹耶はきれいな女の子の傘に一緒に入って帰っていったから。

楽しそうに笑顔で話しながら。

気づいているのかいないのか、あたしには目もくれずに。


(なんだ、傘持ってくる必要なんて全然なかった……)



雨がザーザー降る中。

世界中からのけ者にされたみたいな気分になる。


(昔も、こんなことがあったな……)


昔。

まだ幼かったころ。

暗い道を歩きながら、ふと、あたしの脳裏にパパがいなくなった頃のことがフラッシュバックする。



毎日こうやって雨の中をひとりで待ってたことがあった。

もしかしたら、パパが帰ってくるんじゃないかって。

傘も上手にさせないから、ずぶ濡れになって。

< 14 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop