ぼくの太陽 きみの星
「あれ?未怜?」


鋭く掛けられた声にふと我に返る。


「お兄……」


家の前で、見慣れない傘を差した鷹耶が振り返ってた。


「おまえ、傘2本も持ってて、何ずぶぬれになってんだよ」


そう言われて自分を見下ろす。



ほんとだ。


何これ。


「ったくバカだな、早く家入れよ」


呆れた口調でそう言うと、鷹耶は先に一人でさっさと家に入って、あたしに乱暴にバスタオルを投げてよこした。

機械的に、ブラウスの上からバスタオルを羽織る。
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