ぼくの太陽 きみの星
(う……。)



この笑顔を前に、自分が言わなければいけないことを思って胸が痛んだ。

食べかけのプリンを膝に置く。



「琢磨くん……あたしね」



ごくり、とつばを飲み込む。




「……あなたとは付き合えない」




琢磨くんの顔色がさっと変わった。


「………未怜ちゃん」


「ごめんなさい、でも……あたし」


涙がじわりと沸きだした。


「自分の気持ちを偽ることはできないから……」



「まさか……まさかとは思うけど」


茶色い瞳が大きく見開かれる。



「……お兄さん?」



あたしは黙ってこっくりうなずく。
< 174 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop