ぼくの太陽 きみの星
「こんなこと言ってごめん。

未怜ちゃんは気にしないで。


体調悪いのに長々とごめんね。

……もう休んで」


琢磨くんは無理ににっこり笑って手を差し出した。


「これからも普通に仲良くしてくれる?

クラスメートだし、幼なじみだし、そこは変わらないから。

よろしくね」

「そんな……それはあたしが言わなくちゃいけないことなのに」



あたしは差し出された手をぎゅっと握った。



「ありがとう、琢磨くん。

ありがとう」


握った手に、涙がぽたぽた落ちた。




終わっちゃった……。



精一杯、全力であたしを受け容れてくれようとしてくれた人なのに。


結局最後まで一方的に傷つけて。




手を振って部屋を出て行く琢磨くんを見送ったあたしは、一人で長いことわんわん泣いた。
< 178 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop