ぼくの太陽 きみの星
「オレ、未怜と一緒に暮らすの、結構楽しみにしてたよ、最初」

「え、そうなの?」

「うん。かわいい妹ができると思って」

「そうだったんだ……」

「顔合わせの前に、未怜のクラスまでこっそり顔見に行ったからね」

「ええっ!? そうだったの!?」


鷹耶は照れくさそうに笑う。


「多分、新しい家族に何かを期待してたんだろうな。

……未怜は?」

「あたしは……パジャマで家の中歩きにくいなぁとか、心配してた」

「……ああ。

そりゃそうだよな、女の子は」

「鷹耶に会う前はね、キモヲタだったらどうしようって思ってた」

「ははは」

「初めて会ったときは、何だか、笑顔の仮面かぶったような人だなって」

「……鋭いね。

そういや、最初に会った時、すっごい醒めた目でオレをじーーっと見てたんだよね、未怜は。

何だか奥のほうまで見透かされたような気がしたよ」

「……」

「そのせいかわからないけど……

なぜか未怜の前では外向きのオレでいられなかったね」


鷹耶のしみじみとした言葉に。

あたしはうれしくて、思わず鷹耶にぎゅっと抱きついてた。


「……傘を持ってきてくれたときは、てっきりオレに気があるのかと思った」

「うそっ!……すっごいうぬぼれ屋」

「はは」


鷹耶には、恐れず自分の気持ちが正直に言えた。


わかってくれるっていう安心感があったから。



あたしは何でも話したし、鷹耶も何でも話してくれた。


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