ぼくの太陽 きみの星
「……ちょっと待ってよ、ママ……」


「鷹耶くんは違うんじゃないかって思ってたのに。

さすがあの女の血を引くだけあるわね、


あの女もそうだった。

いつだってそこらじゅうの男に色目を使って周囲を引っかき回して、トラブルの種だった」


「ちょっと、ママ!」


ママの眉間に刻まれた恐ろしいしわを見て、あたしは必死でさえぎろうとした。


「だからあたしは未怜と一緒に住まわすのはいやだったのよ。

ふしだらな女の子どもはふしだらってことね。

まったく血は争えないわ」


吐き捨てるような口調。


鷹耶の膝に行儀よく置かれた手が、ほんの少しこわばった。


あたしは我慢できずに叫んでた。


「ちょっと待ってよ、ママ。

鷹耶のお母さんとあたしたちに一体何の関係があるの?

今の言い方はひどいよ。

ママ、鷹耶に謝って!」


あたしの鋭い反撃にママがひるんだ隙に、あたしは一気にまくしたてた。
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