ぼくの太陽 きみの星
「散らかってて悪いわね」


電気がつくと、広いリビングが目の前に広がった。


バラ柄のカーテン。

水玉のソファカバー。

レースのクッション。

蝶のウォールアート。


これでもかというくらい、乙女のあこがれの集結したような部屋。


マリカさんは、ブランドものの財布からばさっとお札を抜き取って、丸いガラステーブルに扇状に広げた。


「いい?

ここにとりあえず5万置いとくわ。

お腹空いたら使って。

1階コンビニだから。


冷蔵庫のものも勝手に食べてくれていいから。

電話とか好きに使って。


眠くなったらソファ使って。

背もたれ倒したらベッドになるから。


その服じゃあれだわね、帰ってからあんたに合う服探すわ」


きびきびと言うと。



マリカさんは、あたしの両肩にやさしく手を置いた。
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