ぼくの太陽 きみの星
家出して帰れないままのマリカさん。


(きっと帰りたいんだろうな)


あたしは、マリカさんと話をしてみたくなった。

今晩は、ここで待ってよう。




あれから家はどうなっただろう。


(……鷹耶、どうしてるかな)


勢いで飛び出してきちゃったけど、あとに一人残してしまった鷹耶が気がかりだった。


携帯にかけてみたかったけど、携帯も置いて来ちゃったし、マヌケなことに番号すら覚えてなかった。




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「早く帰ってあげなさいよ。

長くなればなるほど帰りづらいわよ」


酒に焼けたガラガラ声でマリカさんは言う。



「……うん」


マリカさんの家についつい5泊もしてしまってるあたし。
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