ぼくの太陽 きみの星
未怜ちゃんは、すっかり抜け殻みたいな状態だった。

無表情で、反応も薄く、誰ともほとんど話さない。

休み時間も机にひじをついて、ぼーっと窓から外を見てる。



――いや、見えてるかどうかも怪しかった。

視覚として外界の状態をとらえていても、脳がそれを処理してないような状態。

そんな風に見えた。



食欲もほとんどないみたいだった。

お弁当も、一応フタを開けるけど、ついばむ程度ですぐフタを閉めてしまう。

家でも、果たしてどれだけ食べているのやら。



未怜ちゃんはみるみるうちにやせていった。


それでも、たとえば「このまま死んでしまいたい」というような積極的な思いがあるわけでもなさそうで。


自分にも、周囲にも、興味をなくしてしまった。

そんな感じだった。


登下校中も、どこかふらふらして、いつ車に轢かれるやもわからない。




このままでいいわけない。



――でも、一体どうしたら?
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