ぼくの太陽 きみの星
また唇が近づいてきて、頬を伝って耳元へ這った。


「……どうして拒まないの?」


耳元でささやく声。


(……え……だって、どうしたらいいかわからない……)



正直なところ、あたしはかちんこちんに固まってた。



「もしかして、期待してた?」


笑いを含んだ声でそう言いながら。

じっと一対の黒い瞳がのぞきこんでいた。


何を考えているのか、感情の読み取れない昏い瞳。




期待?



――もしかしたら、してたかもしれない。



期待と恐怖。恐れ。



唇を合わせながら。

鷹耶は片手で器用にあたしのパジャマのボタンを外そうとしてた。
< 23 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop