ぼくの太陽 きみの星

2.砂の城

「琢磨くーん、こっちこっちぃ」


飛び跳ねながら両手をぶんぶんふるほっそりした影。

ぼくは慌てて彼女のもとへ駆けつける。


「ごめん!遅れて」

「遅れてないよ、あたしが早く来すぎちゃったから」


笑顔でそう答える。


「んじゃ、行こっか」

「うん」


差し出したぼくの手をきゅっと握って、軽やかに歩き出す。

小さな手。


「今日こそは、あそこに食べに行こうよ」

「ああ、こないだ入れなかったとこ?」

「うん。お腹ペコペコにしてきたから」


いたずらっぽく笑う未怜ちゃん。






――あれから3ヶ月。



未怜ちゃんは、加速度的に回復して、今や見た目にはすっかり元気になっていた。
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