ぼくの太陽 きみの星
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初めて入る大学構内。

おのぼりさん丸出しで、きょろきょろ見回す。


「わぁ~、こんなところにレストランがあるよ。

あ、見て、生協だって」


なんて観光気分でうろうろしていると、「学生課」と書いたプレートを発見した。


「ここで聞いてみようか」


ぼくが言うと、未怜ちゃんはうなずいて、ドアを開けて中を覗いた。




「申し訳ありませんが……こちらから連絡先をお教えすることはできません」

「だって、兄なんですよ。

ほら、これあたしの学生証です、名字同じでしょ」

「どういった事情であれ、そういったご希望は一切お断りしております」

「本人の承諾を取っていただくこともできないんですか?」

「そういうことも、お断りさせていただいています」


受付の人と未怜ちゃんの押し問答が続く。


未怜ちゃんもかなり食い下がってるけど、どうやらここじゃ聞けなさそうだ。


そりゃそうだろうな。

個人情報とか、最近うるさいから。
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