ぼくの太陽 きみの星
「56-5!」


目の前に、目標の建物の全貌が見えた。


こじんまりした、小綺麗なハイツ。



「ここだ――」


ついにここまで来てしまった。


「メゾン・○○○。間違いないね」




(202だと2階か、どの部屋かな)


見ていると、不意にひとつのドアが開いて、誰かが出てくるのが見えた。

別にやましいこともないのに、思わず隣の建物の影に隠れる。



髪の長い、きれいな女の人。

遠目でも、ずいぶんきれいな人だっていうのがわかる。

洗練された服装に身を包んで。

カッコいい、大人の雰囲気の女性。



その女の人の後から出てきたのは。



――見間違えるわけもない。


未怜ちゃんのお兄さんだった。
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