ぼくの太陽 きみの星
カチャ。カチャ。



黒い瞳があたしの顔を覗き込んで、首をかしげる。


「ずいぶんやせたんじゃないの」

「……そんなことないよ」

「きれいになったね」

「……」



久し振りに会った親戚のおじさんみたいなことを言う。


そんな社交辞令みたいなこと言われても、ちっとも嬉しくないよ、鷹耶。



他人行儀な鷹耶の態度。


さっきのきれいな女の人の姿が脳裏をちらつく。



(あんな人を、周りが放っとくわけないでしょ)


そうだよね、琢磨くん。




もしかして、あたし……



来ちゃ、いけなかったのかな。




無意識に唇をかみしめる。
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